いただきますブログ
青い小麦のピクニック
爽やかな風を感じる6月
作物たちがグングンと成長するこの時期は
とても十勝らしい景色だと感じる
畑ガイドとともに
農場の中へ足を踏み入れて行こう
「畑作4品」
十勝の小学生に聞くと多くの子どもたちが答えられる十勝を代表する4つの作物。豆、じゃがいも、ビート、、そして小麦。
なかでも小麦の作付け面積は4つの作物の中で一番広いため、十勝では小麦の畑を目にすることが多い。今回は6月の青々とした小麦の畑を紹介していく。
長靴を履くなんて子どもの時以来だという人も少なくないだろう。皆でおそろいの長靴を履く。
3頭の馬のマークが目印
ツアーで履く長靴は、北海道小樽市で大正8年に創業したゴム長靴のメーカー「ミツウマ」のもの。履きやすく、安定感があって非常に好評。オレンジ色はスタッフ限定。
長靴、帽子の準備を整え、最初にガイドから農場に入る際の注意点について話を聞く。長靴は畑に病気を持ち込まないために履く、作物を勝手に採ってはいけない・・・などなど。ちなみに撮影NGの場所はどこもない。好きな場所で十勝の広大な景色を写真に収めて欲しい。スタッフにカメラを向けると笑顔を返してくれるだろう。
準備万端。いざ、畑の中へ。
農場ピクニックではツアーのテーマに沿った畑以外にもその年の様々な畑を案内する。
当たり前のことだが、訪れる時期や年が異なれば景色も変わる。だからこそ、その時に見た景色・感じた風をもう二度と体験することはできないと思うとなんだか感慨深い。それは毎日畑で作業をする農家さんも同じこと。
夕刻の畑もまた美しい
まず目の前に広がってきたのはホウレンソウのように見える作物の畑。よくよく近づいていくと根元に白いものが。多くの人が「カブ」と思うこの作物、実は日本だと北海道でしか生産されていない「ビート」と呼ばれる砂糖の原料になる作物で、収穫期の大きさは赤ちゃんの頭位の大きさ。ビートは別名、「てんさい」や「砂糖大根」などとも呼ばれている。収穫期は10月~11月であり、この時期はまだまだ成長段階である。ビートについての説明を聞き、次の畑へと向かう。
ビートの糖度はメロンやイチゴよりも高い
ビートの畑を抜けると、青々とした緑色の畑が広がっている。小麦の畑である。
一面に広がる小麦畑
小麦畑と聞くと、多くの人がイメージするのが黄金色に色づいた畑ではないだろうか?小麦が葉から実まで全て黄金色に変わるのは収穫間近の7月に入ってからである。小麦の収穫期は7月下旬から8月上旬にかけて。この時期、農家さんたちは昼夜を問わず収穫に大忙しである。十勝中の畑で大きなコンバインがひっきりなしに動いている光景を見られる。
大きなコンバイン。広い小麦畑もあっという間に刈り取ってしまう。
そんな収穫前の小麦畑に入る機会はとても貴重である。
畑に近づいていくと畑の中に道があるが、これはツアーのために作られた道ではない。この道は、肥料や農薬をまくなどの農作業をするために大きなトラクターが入っていくために作られた道、防除畝(ぼうじょうね)である。防除畝はちょうどトラクターのタイヤと同じ太さであり、人が1人歩くのにちょうど良い幅である。この道を使って畑の中に入っていく。
どこまでも続く道
小麦畑の中を歩く。思ったよりも小麦は固く、チクチクして地肌に触れるとちょっぴり痒い。小麦畑に入る時は長袖の洋服がおススメである。
小麦畑の中を歩いて行く。どこまでも続く道、心地よい風、聞こえるのは風に揺れる小麦や木々の音、ここは日本だろうか?と思わず感じてしまう。ゆっくりと時間が過ぎてゆく。
小麦畑の中を散策したら、畑の中に建てられたテントで休憩。
開放的な食事会場
今回のツアーのテーマは小麦。小麦粉と言えばパンを連想する人も多いが、実はパン用の国産小麦の生産量はそこまで多くはなく、ほとんどが外国からの輸入である。広大に広がる十勝の小麦畑の約90%がうどん用の小麦(中力粉用)で、パン用の小麦を作っている畑はまだまだ少ない。しかし品種改良によって十勝でも近年パン用の小麦の生産量が増えていっている。
このツアーでは、地元のパン屋さんで作っている十勝産小麦100%の食パンとスーパーなどで購入できる食パンの食べ比べをする。スーパーなどで購入できる食パンには風味をつけるためにマーガリンなどが加えられている場合が多いが、地元パン屋さんの食パンは必要最低限の材料のみを使用、小麦の風味を楽しむことができるだろう。ぜひ味の違いを感じて欲しい。
昼食付のツアーではそのパンを美味しく食べてもらうためのメニュー「パンベキュー」を提供。
カマンベールチーズとパンの組み合わせが絶品
パンの他に、野菜やベーコン・ウインナーといった十勝産食材を3種類のソースに付けて食べる。
なかでも「とかちマッシュ」は小麦と深い関係がある。マッシュルームは、麦わらと馬糞で作られた堆肥に種を蒔き、その上をピートモス(コケ類の堆積物)で覆い、十分な水を与えて生育させる。十勝はばんえい競馬があり、馬もたくさんいる。また小麦の生産量も北海道で1番。マッシュルームに必要な材料が揃うため十勝でブランドとして確立、スーパーなどでもフレッシュなマッシュルームを購入することができる。
小麦の畑は眺めながらのランチタイムは食事が一層美味しく感じるに違いないだろう。
食事を済ませるとあっという間にツアー終了の時間に。
小麦畑を横目に眺めながら駐車場へと戻っていく。