いただきますカンパニーからのお知らせ

第1章 私の原点

今思い返すと、幼少時から起業につながる環境が揃っていたように思う。

自宅にはまるごと1頭の羊が届き、父親が慣れた手つきで解体をする。これが日常風景だった。

サラミは自宅で作るものだったし、自家製の燻製室に鮭が並ぶのは秋の風物詩になっていた。

鶏は生きた状態から絞めて食べたこともある。パック詰めされたお肉が手に入るのが当たり前の現代はとても便利だけれど、そこから生産現場を想像することはちょっと難しい。加工して口に入るまでの流れ「食べることと生きること」が繋がっている私にとって当たり前のことだった。

日本語特有の「いただきます」という言葉の本来の意味は「命をいただく」ということ。

生きる=食べることの意味がそのまま込められた言葉。

小さな頃からのこの体験は、私の原点になっている。

人と同じことがきらいで、負けずぎらいなのは学生時代から。

「やりたいこと」への情熱と行動力は人一倍だった。勉強、部活に励みながら、大学では子どもの野外教育プログラムや自然体験ボランティア、羊牧場の実習体験など数多くの「自然」「農業」に関する体験をしてきた。この頃から農業に関する方面で「起業」をしたいと考えるように。

もともとは羊飼いを目指していたが、生産現場を体験するうちに、「生産」よりも、「生産現場」そのものに多くの価値を感じるようになり、これに付加価値をつけられないかと構想を練りはじめたのが大学時代。

卒業後は少年自然の家で就業、語学と農場実習のため海外留学も経験。

とにかく「将来の独立のためにやりたいことへまっしぐら」な日々を送った独身時代だった。

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